インテリアに使われる材質には実に様々なものがあります。
実際に製品にどのような材質が使われているのかが分かるとインテリア選びが楽しくなると思いませんか?
また、材質の特性を理解することで、購入後の製品の的確なお手入れ方法が分かったり、的確なお手入れをすることで製品を綺麗な状態で保つことができるというメリットにもつながります。

ここでは当店で取り扱いさせていただいている照明器具や時計によく使われている材質についてご紹介させていただきます。

大切なインテリアを末永くご愛用いただくためのご参考になれば幸いです。

 

インテリアに使用される主な材質

無垢材

天然の木をそのまま使用し、製材、乾燥などの工程の後に製品を形成するパーツに加工した材質のことで、天然素材特有の温もりを感じることができることから、インテリア素材としてとても人気があります。

無垢材には空気中の湿気を吸収したり放出したりする天然素材特有の調質機能があり、テーブルのような面積の大きな板状の場合は、湿度の影響によって膨張・収縮するため、サイズの変化や反りなどが起こる可能性がありますが、照明器具や時計に使われているようなパーツでは、湿度の影響を大きく感じることはごく僅かです。

お手入れ方法としては、照明器具や時計の場合、表面にウレタン加工が施してある場合が多いので、普段はホコリを取る乾拭き程度で大丈夫です。
もし、どうしても気になる汚れなどがある場合は、水で薄めた中性洗剤を含ませた雑巾を固く絞ってから水拭きして、最後に水分を取るためにしっかりと乾拭きしましょう。

なお、ウレタン加工してある場合は、表面をウレタン樹脂でコーティングしてあるため、少々の水分が付いてもさほど神経質にならなくても問題ありませんが、自然塗料で仕上げている製品の場合は、水分が付いたまま放っておくとシミ等の原因になりますので注意が必要です。
また、自然塗料仕上げの場合は、美しい見た目を保つために自然塗料での定期的なメンテナンスをすることをオススメします。

 

無垢材は、天然素材特有の温もりがあって人気ですね!

 

突板

突板(つきいた)は、天然木を薄くスライスした板状の材質で、インテリア製品などを作る際には、突板を合板やMDFなどで作った芯材の表面に圧着して無垢材のような見た目に仕上げます。

ひとつの無垢材から何枚もの突板を取ることができるので、希少性の高い木材や高級な木材でも低コストで製品を作ることができます。

突板を使用した製品の場合、そのほとんどが表面にウレタン加工を施しているので、お手入れも簡単です。

突板を使うと高級材を使用した製品を低コストで製造できるメリットがありますね!

 

プライウッド

薄くスライスした木材を何層にも重ねて接着し、厚みのある板状に成型したものをプライウッド(積層合板)といい、木目が直角になるように交互に重ねてゆくことで強度の強い材質を造ることができます。

曲木加工がしやすいという特徴があり、無垢材では作りづらいデザインの製品作りにも用いられます。
また、無垢材に比べると反りや収縮が少ないというメリットもあります。

 

横から見た時の積層構造の美しさもポイントです!

 

MDF(中質繊維板)

チップ状の木材を線維化した後に、合成樹脂を加えて板状に成型したものをMDFといいます。

無垢材は場所によって密度が異なるため、加工中に割れ等が生じる可能性もありますが、MDFは材質の密度が均一で加工に適しているという特徴があります。

また、MDFは端財や廃材を利用して作ることが可能なため、環境問題も考慮したエコな材質であるとも言えます。

 

MDFは「Medium Density Fiber Board」の略なんですよ!

 

ガラス

私たちの暮らしの中に必ずといっていいほど存在するガラスは、珪砂という種類の砂と珪砂を溶けやすくする役目のソーダ灰、それに耐久性を高めるための石灰石を原料として作られています。
これらの3つの原料を混ぜ合わせたものを約1500~1600℃もの高温でドロドロに溶かし、それを引きのばして形作っていきます。

照明器具ではよく着色したガラスが使われていますが、これは青ならコバルト、緑なら酸化鉄というように、ガラスの原料に様々な金属の酸化物を加えて溶かすことで発色させています。

お手入れ方法としては、通常はガラスの表面にキズが付かないよう柔らかい布で乾拭きし、気になる汚れが付着してしまった場合は、薄めた中性洗剤や市販のガラスクリーナー等で拭き取ってください。
ほんの少しの汚れの場合は、水拭きだけでも大丈夫です。

 

ガラスが砂から作られているとは意外でした!

 

スチール

スチールは鉄を主成分として、そこに0.02~2%ほどの微量の炭素を加えた合金のことです。
炭素を加えるのは強度を高めるためですが、2%以上炭素を加えると強度的にはより強くなるのですが、逆に折れやすくもなるため2%までに抑えられています。

また、炭素の含有量によってスチールの性質は異なるため、その製品に適した性質のスチールが使われています。

普段はホコリ等を取る乾拭きで問題ありませんが、気になる汚れが付着してしまった場合は、薄めた中性洗剤で汚れを拭き取り、最後に錆びないよう必ず乾拭きをするように心がけてください。

スチールは炭素が含まれている分、鉄よりも強いんですね!

 

アルミニウム

アルミニウムは、ボーキサイトという鉱石から抽出された酸化アルミニウムを電気分解することで作られる合金で、軽い、加工しやすいという特徴があることから幅広い用途で使用されています。

元々のアルミニウム単体としては柔らかい性質を持っているため、製品によっては強度が足りない場合もあり、そのような場合は銅やマンガン、ケイ素、マグネシウムなどの他の金属を加えることで強度を高め、軽量・高強度のアルミニウムとして使用されます。

アルミニウムは錆びにくいという性質もあるため、汚れが付いた場合は水拭きや薄めた中性洗剤で汚れを拭き取り、最後に乾拭きで水分を拭き取ってください。

 

アルミニウムは1円玉や缶など、身近なところでも活躍していますね!

 

真鍮

真鍮(しんちゅう)とは、銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金で、特に亜鉛が20%以上のものを指します。

一般的に亜鉛の割合が多くなるほど色味が薄くなり、亜鉛が少なくなるほど赤みを増した色味になります。
また、亜鉛の割合が多くなるほど強度が増しますが、亜鉛の量が多すぎると脆さも伴うため実用性に耐えうるのは亜鉛40%までとされています。

最初は綺麗な黄金色の真鍮ですが、使い込むうちに光沢が落ち、渋みのある深い色味に変化するという特性があり、その経年後のアンティークな装いが人気の金属です。
なお、光沢のある黄金色の方がお好みの場合は、金属研磨材を使用して再びか輝かせることも可能です。

真鍮は湿気や水分に弱い材質なので、お手入れする際には柔らかい布でこまめに乾拭きしてあげることが大切です。

 

真鍮はお手入れ方法によって経年変化の色味が変わってくるので、愛情を込めてお手入れしてあげてくださいね!

 

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